| アセロラ 苗 農業 |

農園から帰国後、フロリダスウィート(アセロラ)苗の輸入準備に取り掛かった。
必要書類の準備や手配は全て私たちが行った。肝心な検疫と税関は日通さんで代行を依頼した。
異国の雰囲気を感じさせるファックスが届いた。
いよいよ苗木300本が出発したらしい。長い一週間が始まった。Airway-Billを毎日チェックし、今どこに苗がいるのかを確認。それにより、受け入れ態勢の段取りをしなければいけない。
通常なら1週間弱。その間、苗は土のない状態で耐えている。
もちろん、根が乾燥しないように密封し保湿状態を保てるようにしている。
思いがけないところから電話が入る。関空からだ。どうやら、名古屋ではなく関空に到着したらしい。
気の利いた日通さんは、苗は生き物であるため、すぐに代行業務に取り掛かり、夜の便で岐阜へ搬送する準備を整えていた。
なぜ?関空?。
よくあるらしい。確実にフライトさせるためには、チケット代が跳ね上がるので、安く運ぶをメインのチケットなのである。
確実に検疫をパスする保障があれば、その高いチケットでもいいのだけど。
期待と興奮は・・・。調査に値するという報告があった。
翌日、仲間のK氏と関空へ向かった。ジョーロとバケツを持って。
水遣りです。それに、苗木たちに会いたかった。
親切な日通さんに馬鹿でかい倉庫を案内された。急いで、水遣りを開始。
それと同時に、その苗の姿に・・・。私たちが日本に輸入すると決めてしまったばかりに・・・自然と涙が出てきた。

すると、K氏が『周りを見てみてよ』と私に言った。
『何じゃーこれは?』と思わず叫んだ。
ありとあらゆる食料からペットの猿まで・・・全て中国からであった。
アンコウは日本語で、後は中国語だったりと。
いくら強い日本、アジアでリーダーシップと言っても、生きていくのに必要な食糧を輸入に頼ってしまっては・・・と疑問に思った。
首根っこをつかまれながら外交しているようなものだと。たしかに大げさかもしれませんが。
でも、あの光景は今でも忘れることができません。
なぜなら、無性に震えが止まらなかったのです。
苗たちを見て失望し、その苗たちを囲むように積まれた荷物を見ながら新たに決意を固める。農業を復活させなければ・・・日本はなくなる。と。
農業がなぜ廃れたのかを自分なりに考えてみた。それが、第一話につながるのです。
そのK氏は今はいない。突然の他界であった。
生前よく口にしていたことがある。それは、『嘘はあかん。本物を追求しようよ』だ。
今でもジレンマと戦いながらの作業。不安に陥ることが多々ある。そのたびに決意をする。その繰り返し。
300本の苗たちは、私たちの犠牲になった。焼却処分でした。
何度も何度も止めようと。
フロリダスウィートを食べてみたいの気持ちが、今では4000本に膨らんだ。

犠牲になった苗たちに償いはできない。
いつでもその気持ちは私の中にある。
だから、生きていることに感謝したい。
そして、食べることができることに感謝したい。
失望と決意の繰り返しの毎日が今日も続きます。
さいこさん、コメントありがとうございます。
実際、今でも引きずっていますよ。
だからこそ、今まで頑張れたのだと思っています。
でも、あの時、実際300本検疫が合格していたら
どうなっていたのだろう?と考えることがあります。
あれは、偶然ではなく必然だったのだと。
というのも、槌のない状態でくる苗木300本を
土に戻す作業を考えると・・・。
その後20本、100本と増やしました。
100本が限界ですね。私たちの人数だと。一度
水につけてから土に植えるのですが、急がないと
いけません。日をまたぐこともしばしばありました。
300本だと、植える前に枯れさせていたと思います。
農業をはじめて、トロピカルフルーツの花を見て感じた
ことは、美しいものほど力強いのだということです。
そうなんです。
『生きることは美しいです』
熱い思いと行動力があれば、自然は応えてくれます。
AGRI-ART




「苗木たちに会いたかった。」
「自然と涙が出てきた。」
気持ちが、届いて、ぐっときちゃいました。
生きること。枯れること。
美しいということ。
野菜は、いろいろ教えてくれますね。