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「水のインタビュー」第5回 情野博之さん(1)

毎月各界で活躍する著名人にご登場いただく「水のインタビュー」。 第五回は日本屈指のフレンチレストランのシェフソムリエを歴任し、 日本のワイン文化の普及に大きく尽力されている情野博之さんにお話を伺います。
okuhida gensui

沢樹:情野さんとの出会いは、約11年前くらいでしょうか。実は、情野さんは私のワインの先生なんです。当時はホテルに勤務されていましたよね?

情野:沢樹さんとお会いしたのは、まだワイン講師を始めたばかりでした。
僕は、新卒でホテル・ニュー・オータニに入社し、トゥール・ダルジャンの配属となったんです。その頃は、トゥール・ダルジャンの冷蔵庫を開けても、わかるものといえばジンジャーエールだけ(笑)。ワインの知識などまったくありませんでした。
そこで一念発起し、フランス料理の歴史やワインの勉強を始めたわけですが、奥深さとおもしろさが自分にあっていたようで、すぐにワインにはまりました。そして、26歳のときにソムリエの資格を取得したのです。

沢樹:当時はワインブームも後押しして、ソムリエという職業にも急にスポットライトがあたり始めましたよね。ワインを学ぶ私にとって、情野さんは憧れのソムリエでした(笑)。スクールで講義を聴講するにも、すぐに定員がいっぱいになってしまうほどでしたから・・・。
ホテルの一社員としてレストランに勤務されている合間に、ワインスクールの講師や雑誌の取材などご多忙だったと思いますが、その頃はどんな心境で毎日を過ごしていましたか?

情野:すべての行動は、ワインの啓蒙活動だと思っていました。今でもそのスタンスは、変わりません。「ワインについて教える」「ワインの話をする」ということは、売り上げにつながるわけですし、沢樹さんのようにワインの勉強をしてソムリエの資格を取得する人が一人でも多ければ、ワインの裾野が広がっていきますからね。
そうすることで、業界が活性化し、ワインの売り上げも増え、フランスからワインを購入することもできる。インポーターさん、フランスのワイン生産者など、ワインを取り巻くすべての人が、ハッピーになれるはずなんです。
ですから、僕にできることならぜひともお手伝いしたいし、特に大変だと思ったことはないです。

沢樹:情野さんには、人一倍ワインに対する愛を感じるのですが。

情野:たしかに、そうかもしれません。例えば、ワインの評価をネガティブに書く批評家がいるとします。でも、批評としては文章が際立つのですが、むしろ僕は、ネガティブに感じたところを、いかにプラスに変えていくかが重要だと考えてしまいます。だって、そのものの良さを伝えた方がいいと思いませんか?
日本酒に携わる方と話す機会があったのですが、日本酒には老香(ひねか)という長期間置かれたときに発する香りを否定的にとらえることがあるそうです。ワインの場合は、それを「酸化熟成香」と表現し、複雑性と奥行きのある香りととらえます。
すると、その方は「ソムリエさんはいいですね。ネガティブな部分をポジティブに表現できるのですから」とおっしゃいました。そのような感覚を持つ人が増えれば、ワインも日本酒の世界も確実に広がりますね。

沢樹:私も同じ意見です!そのものの良さを引き出してあげたほうがいいですもの。
実際にワインを試飲してコメントを書かれる際、情野さんが大切にしていることはありますか?

情野:ワインを飲んだときに、自分が話したように書くということ、うそは書かないということですね。お客様、妻や友人など第三者に伝えることを想定して、解説するように僕は書いているんですよ。ソムリエ検定試験を受けるためのコメントのようなものではなく、わかりやすい言葉を選び、伝わりやすい文章を心がけています。

沢樹:初心者の方、ワインをわからない方にも伝わりやすいですね。

情野:ワインのことをあまり知らない方に、「外観に輝きがあり、色調が云々」と言ったところで、何もイメージできないと思いますし、おいしいのかどうかを知ることが一番重要だと思います。飾り立てて文章を書くのではなく、できるだけ修飾語を省いて、口に含んだときに僕がどう感じたかをそのまま表現した方が、ワインの味が伝わるような気がしています。

沢樹:情野さんの魅力もあいまって、よりワインの良さが引き立つんじゃないかしら(笑)。ソムリエとしての情野さんの偉大さを感じます。

Part2へ続きます。

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奥飛騨原水

ヒロコ@奥飛騨原水  2009年8月 7日 14:32

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ヒロコ@奥飛騨原水

リゾート地として有名な岐阜県数河高原に隣接したタンカナ高原は、ブナの原生林や落葉樹が手付かずの状態で残っている全国的に希有な場所です。古来よりブナの木は「緑の水ガメ」と呼ばれ、その優れた保水力が土中の水を豊かにします。この自然の中で生まれた水「奥飛騨原水」を通して、皆さまから「水」や「水のある暮らし」について、お話を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
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