
|
沢樹:大学に入学して陸上部に所属され、成績も伸びてきましたね。筑波大学は、陸上をするにはとてもいい環境だと思いますが、いかがでしょうか? 齋藤:陸上部は、世界レベルで活躍するスーパースターの桁違いの選手ばかり。入学当時は、壁にぶち当たりましたね。しかも、一人暮らしで料理もままならず、生活に馴染めないこともあり、すべての面でつらかった時期もあります。 沢樹:トップアスリート集団の中で頭角を現し、世界の舞台に立つことになるわけですが、壁をどのように乗り越えたのでしょうか? 齋藤:同世代の多くの仲間は、10代から注目され、陸上に専念できる環境で走り続けています。僕はそれがなかった分、のびのびとマイペースで練習をしてきたこともあり、壁があっても自然と記録が伸びてきたことで、いつの間にか壁を乗り越えられたのかな。特別な練習をしなかったのがよかったんだと思いますよ。 沢樹:あえて特別なことをせず、自分のペースをつかむ。それは、大切なことですよね。 齋藤:そうなんです。練習熱心な人は、決められた練習の前に自主練習をしていますが、オーバーワークでケガをすることも多い。だから、僕はやれと言われたことしかやりません。コーチからのアドバイスを素直に受け止めて、練習した方が僕には合っています。練習が嫌いだと仲間たちは思っていますが(笑)。 沢樹:強さのきっかけは、どのようにつかむんですか?
沢樹:微調整をしながら主観と客観を一致させるとは、陸上は哲学的で奥深い競技ですね。 齋藤:ただ単に、速く走ればいいというわけではありません。特に200m走は、100m走とは違いメリハリが必要です。200mは、約20秒の中で駆け引きがあり、スタートで失敗したとしてもゴール前で挽回できるチャンスがあります。 沢樹:たしかに繊細ですね。陸上に対する見方が、ますます変わります。 齋藤:ロンドンオリンピックは、競技人生の集大成だと考えています。そこで、しっかりと結果を残したい、やはりリレーではなく個人として勝負したいのが本音です。 沢樹:ぜひ、ロンドンの舞台で200mの決勝を走っていただきたいです。ちなみに、日本では200mで1位ですが、世界でのライバルとよべる選手ははどのくらいいるのでしょうか? 齋藤:ライバルという選手は特にいませんが、現在僕は、世界ランキングで30番台、アジアランキングでは2位にいます。ここから、1つでもランクを上げられるようにしたいという気持ちはありますね。世界のトップ10になることは、身体面を考えると本当に難しいことなんです。 沢樹:15mの差を縮めるための1秒への挑戦が続くんですね。 齋藤:19秒に近い数字で走る選手が徐々に出てきていることもあり、最近、自分ではない他の選手が、19秒でゴールをしてしまったという夢を見て、ハッとして目が覚めることがあります。そういう夢を見るということは、日本で一番先に19秒台を走りたいからです。 沢樹:ゲーム感覚というのが、齋藤さんらしいのかしら(笑)。クリアしたときの達成感は大きいことでしょうね。たった1秒にかける思い、計り知れないものがあります。 次回、Part3へ続きます。
|
ヒロコ@奥飛騨原水



