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コーナータイトル

しんじょの宇宙

家でたべるの しんじょ  しんじょう  むきえび  ソラマメ 

しんじょを食べたいと突然思った。
最後にしんじょを食べたのは何時のことだったか。無性に恋しくなった。とろりとはいかない、むしろ僅かにざらみを残しつつまったり広がる旨味。
最も高級なものは懐石料理の椀物として、カジュアルなものはおでんの種のひとつとして、しんじょ、あるいはしんじょうとも呼ばれる料理は、良く知られたものでありながら、家庭料理としてはまず食卓に出て来ない。何人かの女性に聞いても「家で作ったことはない」そうだ。

であるなら私が作ろう。
作り方を調べてみると、おもしろいねぇ。「しんじょ」の作り方は「蒲ぼこ」や「はんぺん」に似ている。「つくね」や「つみれ」にも近い。しかし、「しんじょ」あるいは「しんじょう」は漢字で書くと「真薯」つなぎとして山芋を使っているのが特徴だ。
エビ、カニ、魚の白身などをすりつぶしたものに、山芋や卵白、だし汁などを加えて味をつけ、蒸したり、ゆでたり、揚げたりする。
私は蒸して作ります。海老とソラマメのしんじょ。

【材料】5人分
  海老(むきえび) 10尾
  山芋 50g
  はんぺん 1枚
  ソラマメ 5さや
  卵白 1個分
     
  ショウガ 適量
  30cc
  醤油 適量
  出汁 300cc
  片栗粉 適量

海老はむきえびを使いました。殻もむいてあるし、背わたもとってある。ありがたいね。ただ、匂いが心配なので酒で洗うことにした。海老を入れた皿にヒタヒタになるぐらい日本酒を注いでつまむように洗う。洗ったらいったん酒を棄てて水気を切り、下味として塩をふる。その上であらためて酒を注いだ。こうして30分置く。

山芋は皮を剥いてスライスしておく。

季節の白身魚をすりつぶすのがしんじょの本来であるが、今回は簡便に市販のはんぺんを利用する。
細かく千切ったはんぺんと先ほどのむきえび、そして山芋と一個分の卵白をあわせてフードプロセッサーにかける。

ソラマメはさやから外して、鍋で5分ほど下茹で。お湯からあげて皮を剥いておく。
とても熱い。熱くて声が出た。

フードプロセッサーで砕いて混ぜ合わせた山芋とはんぺんとむきえびと卵白のタネをすり鉢に入れ、荒く砕いたソラマメを加える。少量の片栗粉とひとつまみの塩を振りかけて、すりこぎ棒ですりつぶす。
これをどこまで細かく滑らかに仕上げるか、出来上がりが大きく違ってくる。私は少しざらみが残っているのが好みだ。特にソラマメはあまり細かくなってしまっては面白くない。

すりつぶし混ぜ合わせたタネを五等分して、ひとつづつラップで包む。実はあとで悔いることになるのだが、このラップに包む作業はかなり大事。出来上がったしんじょの大きさやカタチはここで決まるので、もっと慎重にやるべきだった。

ラップに包んだタネを蒸篭に並べる。底に一枚クッキングペーパーを敷いておけば、出来上がったしんじょに籠の跡がつくことはない。蒸し時間は10分から15分。これもしんじょの出来上がりに大きく影響する部分。時間は短すぎてもダメだが、あまり長く蒸すと堅くなって蒲ぼこのようになる。

この間に、しんじょにかける餡を作っておこう。
カツオでとった出汁に擂り下ろしたショウガの絞り汁を入れ、酒と醤油で味を付け、片栗粉でとろみをつけた。

さて、どうだ。今回は12分蒸した。湯気の中からしんじょが現れる。
フワフワとプリプリの絶妙なバランス。
皿に盛りつけて餡をかけ、柚子の皮をあしらった。

最高とは言えないかもしれないが、良い出来だと思う。
ややざらみが強いが、それでいて滑らかでもある。今回はあえてしんじょの本体にはほとんど味を付けなかったが、素材のエビの旨味とソラマメの味わいが良く生きている。
ショウガの効いた餡も強過ぎず柔らか過ぎず。
美味しさが口の中の広がっていく。

ああ、しんじょは宇宙だ。

 

takahash  2015年4月 3日 10:32

コメント(1)

器が綺麗。
料理のしんじょうの方は食べてみないと分からない(^m^ )けれど
ブルーのお皿が美しいですね。

posted by yossie  2015年4月 5日 11:47

 
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takahash

演出家(CM・映像)

TV広告を作り続けて30年。世界を食べたつもりが世界に食べられたのかもしれない。
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