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コーナータイトル

アルマンド ソースに震える。

家でたべるの アルマンド ソース  アントナン・カレーム  鶏肉のコンフィ 

かつて「フランス料理とはつまりソースのことである」そう云っていた時代があったそうです。
19世紀のフランス料理はすでに百花繚乱、素材を焼く、蒸す、煮るの上に、料理の種類の数だけ多くのソースがありました。
フランスの宮廷料理人にして「国王のシェフかつシェフの帝王」と呼ばれていたアントナン・カレームは、著書「The Art of French Cooking in the 19th Century」の中で、これを4つの基本ソースにまとめています。
全てのソースはここからの派生であり、ソースの元を辿ればいずれ4つのソースのどれかに行き着く。

ソース・アルマンド sauce Allemande、卵黄とレモン汁少量をベースとする
ソース・ベシャメル sauce bechamel、小麦粉と牛乳をベースとする
ソース・エスパニョール sauce Espagnole、焼いた骨を含むブイヨン(牛肉など)をベースとする
ソース・ヴルーテ sauce veloute、鳥、魚、子牛肉などの、焼いた骨を含まないブイヨンをベースとする

当時の人々がこのソース、料理に、どれほど魅了されたか知る術はありませんが、それにひきかえ、今を生きる私の普段の料理は、ほとんど塩、胡椒そして醤油で決着を付けています。
いくら素材の良さと言ったところで料理としては幅がないし奥が浅い。
もう少し深めるためには、日本料理ならば「出汁」そのものについて、あるいは「味噌」や「醤油」についてなど、知らなくてはいけないことが山のようにあるけれど、これはでかいテーマだからちょっと置いておこう。

「料理とはソースである」と言っていた時代のフランス料理の「ソース」のことを学んでみたいと思いました。

いくつかの本を読み、WEBで調べていくうち、フランス料理4大ソースのことが朧げながら浮かび上がってきました。今日はその第1弾、アルマンド ソースに挑戦します。

発酵バターを溶かした鍋に小麦粉(薄力粉)を入れて「ルー」を作ります。
そこへ鶏の煮だし汁(フォン)を加えていくのですが、このフォン・ド・ヴォライユを1から作ると大変なことになるので今回はマギーブイヨンで代用します。煮詰まったらブイヨンを足し、さらに煮詰めてまたブイヨンを足す。こうしてソース・ヴルーテと呼ぶものが出来ます。アルマンド ソースはこのヴルーテ ソースにさらに手を加えます。

ボウルに卵黄、塩、胡椒、そして生クリームを入れてホイッパーで混ぜます。そこにレモン汁。ちょっとマヨネーズ作りに似ています。よく混ぜ合わせたところに粗熱をとったヴルーテ ソースの半量を少しづつ加えていきます。トロトロのソースを残りのヴルーテ ソースの鍋に投入。再び煮ます。
理想はマヨネーズぐらいの固さのソースです。よくよく煮詰めてアルマンド ソースの完成です。
ちょっと舐める。ほんの隠し味程度に砂糖を足しました。ズルですね。でもうまい。

鶏もも肉をコンフィしました。さらにアスパラガスをオイル煮。
コンフィもちょっと時間のかかる調理法ですが、今日はソースを作るのに使った時間の方が長い。
こんな感じなのでしょう。19世紀当時の料理というものの時間のかかり具合。
今の時短料理とは全く違います。

今を生きる私たちにとっては時短料理は必然です。そのためにいちいち手作りしなくとも、良く出来たソースや調味料が市販されています。それらを利用するのは大いに結構と思います。
しかし、料理を知るために、あえて時間のかかる料理の原型を体験することは、ますます大切なことになってきたと思います。

おいしいとは何なのか。料理とは何なのか。
鶏肉に良くからんだアルマンド ソースのおいしさに、私は震えた。

 

takahash  2016年4月 5日 09:18

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takahash

演出家(CM・映像)

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