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コーナータイトル

トロリとプルリの杏仁豆腐

家でたべるの エダマメ  杏仁霜  杏仁豆腐 

原始、人が初めてトロリとした食感を体験したのはいつのことだったのでしょう。牡蠣を食べた時かな、ハチミツかな。プルリはどうでしょう。ブドウとかメロンとか、果汁滴る果実だったのでしょうか。
火を使って料理するようになると、例えば牛すじを煮込んだ時のコラーゲン。偶然できた煮こごり。
中国では蒸すという調理法が紀元前4000年からありましたから、トロリやプルリの始まりは、蒸したスッポンかもしれない。
普段の、噛みつき、かじりつき、噛み砕く食事とは全く別次元の食感、この世のものとは思えぬ美味しさ。
トロリとプルリは食の憧れとなったに違いありません。

そんなトロリとプルリを追い求め、ゼリーが出来ました。お腹が空いたから食べるものではありません。楽しむために食べる。ゼリーはすでにローマ時代に作られていたそうです。今でいう「ゼリーよせ」みたいなものだったのでしょうか。プリンは16世紀のイギリスの、長期航路の船の食事から始まったそうです。
アジアでは、やはり中国ですね。杏仁豆腐が初めて作られたのは三国時代だそうです。杏仁は漢方薬として珍重されたのですって。でも、このトロリとプルリを薬としてだけでおくのはもったいない。今じゃ中華料理の代表的なデザートになりました。脂っこい中華料理の最後に食べる杏仁豆腐は、爽やかで、甘く、トロリでプルリで、なんとも言えない美味しさですね。

トロリとプルリが、多くの人の求める美味しさの頂点の一つだとしたら、私もそれを極めてみたくなります。
最高のトロリとプルリの杏仁豆腐を作ってみたい。

子供の頃に食べた杏仁豆腐は、どちらかというとプルリ。サイコロ状に切られて、シロップがかかっているものが多かったように記憶していますが、最近ではもっと滑らかでプリンに近い食感のトロリの杏仁豆腐が増えてきたようです。これは進化なのか、バリエーションの広がりなのか。

調べてみると杏仁豆腐の作り方は意外なほど単純なものでした。
牛乳と生クリームと水を火にかけ、そこへa.杏仁霜(杏の種の仁を粉にしたもの)か、b.アーモンドプードル(パウダー)か、あるいはc.アーモンドエッセンスのいずれかを溶かし込んで、それをa.寒天か、b.ゼラチンで固めて冷やす。
しかし実際に作ってみると、単純だからこそ奥が深い。

出来上がりの杏仁豆腐の香りは、杏仁霜、アーモンドプードル、アーモンドエッセンスのどれを使うか、またどの程度の量を使うかで大きく変わります。
また、杏仁豆腐の濃度というか味と食感の濃さは、濃ければ良いというものでもないのです。これは生クリームと牛乳の量によって決まりますが、濃すぎるとババロアのようになってしまう。もちろん薄すぎては話にならないが、豆腐という名が付いている以上、ある程度のプルルン感と瑞々しさはぜひ欲しい。
寒天で固めればよりプルリになるし、ゼラチンを使えばよりトロリの杏仁豆腐になります。
トロリとプルリには、その時代のトレンドがあります。自分自身の好みもあります。
全てはさじ加減ということになりますが、これは手強いぞ。

クコの実を添えるのが一般的ですが、今回は杏仁豆腐の中にエダマメを忍ばせて、香りの違い、食感の違いを楽しもうと考えました。

塩もみして、湯がいて、鞘から出したエダマメを、グラスの底に並べます。

牛乳150cc、生クリーム50cc、水200ccにを鍋に入れ、沸騰直前まで加熱します。
そこへ砂糖40gと杏仁霜50gを投入して溶かしこみます。
火を止め、温度が50℃ぐらいまで下がってきたら今度は粉ゼラチン5gを入れて、よく混ぜます。

これを先ほど枝豆を入れたグラスに注ぎます。ちょうど4人分できます。
粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やして2時間。

実は、牛乳、生クリームの量を変えて何回か作ってみたのです。ゼラチンの量もいろいろ試してみました。
杏仁霜の他に、アーモンドプードルやアーモンドエッセンスも使ってみました。
まさに、ちょっとしたさじ加減で、口当たりが濃すぎたり、固まり具合が固くなりすぎたり、逆に柔らか過ぎたり。なかなか満足いくトロリとプルリの杏仁豆腐にたどり着けませんでした。
ただ、アーモンドプードルやアーモンドエッセンスより、入手は難しいかもしれませんが、杏仁霜はやはり良い。香りが強く、しかも柔らかいのです。出来上がった杏仁豆腐が1ランク格上の味わいになる気がしました。

上にあげた分量は、今の時点での私にとって一つの結論ですが、もっと美味しくなる可能性は大ありです。
エダマメについて言えば、食感の違いは楽しめたものの、香りの質が杏仁豆腐とエダマメでは少し違う。この辺りももう一考の余地あり。

さらに追求して、いつか本当の「究極・杏仁豆腐」をご紹介できるよう、精進します(笑)

 

takahash  2017年6月16日 08:16

コメント(1)

プリンプリンな感じがおいしそうですけれど、、、、
最高の杏仁豆腐が完成したら教えてくださいね。
頑張って。

posted by tomo  2017年6月19日 14:56

 
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takahash

演出家(CM・映像)

TV広告を作り続けて30年。世界を食べたつもりが世界に食べられたのかもしれない。
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